今日は関節へのお灸のお話です。
最近、「へバーデン結節」や「膝痛」「ばね指」などの関節の不調を訴える方へ灸施術をする事が増えています。
バチバチの炎症期には患部に直接お灸はしませんが、「動きが悪い」や「痛みだけある」場合にはお灸が有効なケースが多いです。
鍼と併用をすることもありますが、お灸だけでよくなることが多々あります。
やり方としては「痛みにある関節部分に直接お灸をする」です。
大変シンプルです。
私は灸点紙(上の写真参照)というものを使用して半米粒大(米粒半分の大きさくらいの艾)の大きさのもぐさで灸をしていきますが、指先は熱いので糸状灸(糸のように細くひねった艾)でやることもあります。
患者さんが自分でやるなら千年灸のような台座灸でもいいと思いますが、鍼灸師に施灸してもらうなら「ツン」と熱の通る艾を使用する灸がさらに効果が高いです。
熱が通るまで重ねて灸をします。※患者さんに熱さを確認しながら。
多層灸(重ねていく灸)は、最初の3壮くらいまでは熱いのですが、それを過ぎると一旦熱さを感じにくくなります。
そこからさらに熱感を感じるまで灸をしていきます。但し、水膨れになりやすい方や火傷になる方もいるので確認はまめにします。
昔は故意にやけどをさせていたのですが、痕に残ることが多いので近年では火傷をさせない灸施術が好まれています。

70代以上の方は灸痕があるかたが多々いらっしゃいます。
お灸後にチェックをすると、「動きやすくなった」や「痛みが減った」という方がほとんどです。
何故お灸が効くのか?
さてお灸の効能の話をさせて頂きます。
なぜお灸が効くのか。
灸をすると肌から自律神経に作用して全身状態が変化します(体性自律反射)
自律神経は、内臓や発汗・血管の収縮など身体の各種働きに作用する神経です。そのため、灸をすると血流などに影響を及ぼし痛みの物質を流します。
これを消炎作用といいます。
それ以外にも
- 止血作用:かさぶたを作る成分の活性化をする
- 造血作用:血液の量を増やして健康にする
- 強心作用:外敵から体を守る白血球を増やす
があります。
関節に対しては、最初に述べた消炎作用が当てはまるのかなと考えています。
関節の不調がある方はご相談ください。
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